〇第4:信解品
 この品の中心となるのは、摩訶迦葉が自分の精神的体験を分かりやすく説いた〈長者窮子の譬え〉です。宇宙の大生命とも言うべき久遠の本仏は、いつもわれわれの側にいて見守っていてくださるのに、なかなかそれに気がつきません。そして、現象の上の自分(肉体 肉体人間である自分)の汚さや小ささばかりが目の前にちらついているために、卑屈になったり、自暴自棄になったり、その日暮らしの刹那主義になったりします。そんなことでは人間は永久に苦しみから脱却できないのであって、心機一転して「自分は久遠本仏の実の子なのだ」という自覚を得た時、初めて真の救いを味わうことができるのです。この譬えは、そのめざめの尊さを教えているのです。

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