〇第11:見宝塔品(けんほうとうほん)
 この品は夢幻劇のような光景に終始しています。  まず第一に、大地から美しい宝塔が湧き出したことについて、お釈迦さまは「この宝塔の中には 如来の全身がいらっしゃる」と説かれます。  世の中に真理の教えはたくさんありますが、それらはすべて、真理の部分部分を説いたものです。 ところが、人間の本質は仏性であると説く法華経は、すべての真理を統合したぎりぎりの教えである と言っていいでしょう。それゆえ、法華経が説かれる所には多宝如来が出現されて、その真実を 証明し、説く人を讃歎されるわけです。  また、宝塔の中に他方如来と釈迦牟尼如来が並んでお座りになったこと、これは「真理そのものの 尊さと、真理を説く人の尊さは、まったく同格である」ということの象徴です。真理は、それを悟って 大衆のために説く人があってこそ生きてくるのだ・・・・ということを教えられているのです。

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